「表現の自由」を脅かす鹿児島県警の報道機関への強制捜査に抗議する
今年4月8日、鹿児島県警察本部は、インターネットメディア「ハンター」代表者の事務所兼自宅(福岡市)を強制捜査し、取材情報の入ったデータを押収した。
一般社団法人 自由ジャーナリストクラブ(JCL)は、この報道機関への強制捜査に対して強く抗議する。
鹿児島県警は、押収したデータをもとに内部通報者を特定し、5月31日、通報者を機密漏洩の疑いで逮捕し、6月21日、鹿児島検察は起訴した。
ジャーナリストにとって取材源の秘匿は高度な倫理規範であり、公権力もこれまで日本国憲法21条「表現の自由」を保障する観点から強制力をもって取材源を開示させる捜査を控えてきたし、米国司法省では報道機関への強制捜査を明文で禁止している。
今回の鹿児島県警による報道機関への強制捜査は、戦後日本で初めてのことであり、公益通報制度を骨抜きにし、ひいては民主主義社会を揺るがす行為と言わねばならない。
今回の強制捜査は、公権力内部からの公益通報者を「みせしめ」として逮捕することで、公益通報を抑制するとともに、権力の暴走をチェックすべき報道機関を萎縮させる結果を招きかねない。
私たち、一般社団法人 自由ジャーナリストクラブ(JCL)は、鹿児島県警の報道機関への強制捜査に抗議するとともに、この強制捜査の令状を警察に与えた裁判官にも抗議し、公権力には二度と報道機関への強制捜査を実施しないように強く求める。
2024年06月22日
一般社団法人 自由ジャーナリストクラブ
代表 小山帥人
一般社団法人 自由ジャーナリストクラブは、1987年朝日新聞阪神支局襲撃事件をきっかけに、88年に結成された団体で、報道の自由、表現の自由を求める活動を進めている。
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