Report:2024年11月/「アメリカ大統領選挙ーニューヨークからの報告」
2024年11月の例会は、「アメリカ大統領選挙ーニューヨークからの報告」。共同通信ニューヨーク支局の稲葉俊之さんにZoomで現地から報告していただきました。
アメリカ大統領選挙は、現地時間11月5日の朝から投票が始まり、当初の大方の予想に反してトランプ元大統領(共和党)の圧勝という結果になりました。JCLとしては初めての海外からのZoom中継による報告で、技術的な不安や、時差の問題、さらには選挙結果の判明にかなりの時間を要するのではないかなどの課題がありましたが、結果的に「杞憂」に終わりました。稲葉さんは、ニューヨークだけではなく、激戦州の取材も重ねて、当日はフロリダ州からの報告でした。取材した有権者の「声」は、インフレによる生活苦に対する不満や怒りが多く、移民問題も、人権問題を超えて「多くのホームレスが放置されているのになぜ移民に金を使うのか」という不満を生み出していて、「blue state(青い州)」であるニューヨークの、とりわけ象徴的なマジソンスクエアガーデンでのトランプ氏集会が満員にというニュースは、ニューヨーカーも驚いたそうです。質疑応答では、40年前にアメリカ留学経験のある参加者とのやりとりでの、「私も20年ほど前に留学していたが、その頃のアメリカの夢や理想、あるいは“民主主義”はもう変わってしまったのかも知れない」という指摘が印象的でした。また、カマラ・ハリス副大統領(民主党)に対する、テイラー・スウィフトやレディ・ガガなどの「セレブリティ」の支持表明は、「経済的なしんどさ」を感じている人々には、必ずしも効果的ではなかったかも知れないという指摘もありました。いずれにしろアメリカ大統領選挙の結果は、2025年からの世界情勢に大きな影響を与えることは間違いないので、引き続き注視していきたいと思います。(合田)
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